NoveLand
とある教師と生徒のお話

とある教師と生徒のお話

うなぎたべたい
最初から読む

弁護士になりそこね、正義に絶望し、俺は逃げた。行き着いた先は、次元の狭間にある学校の社会科教師——年収千二百万、寮あり。 〈ブレスクール〉。一度死んだ"転生候補者"たちが、異世界へ生まれ変わる前の三年間を過ごす場所。集うのは、幸せな人間じゃない。絶望や孤独、消えない傷を抱えたまま、強すぎる力だけを持たされた子どもたち。 雷を操るのに、誰にも心を開かない一年生。かつて無口で、厳しい目をしていたオレンジ髪の三年生。そして——俺が救えなかった、あの死刑囚。 他人の痛みは、本当には分からない。「わかるよ」なんて、軽々しくは言えない。それでも人は、分からないまま、逃げずに傍にいられるのか。三年経てば必ずいなくなると決まっている相手に、それでも心を開けるのか。 これは、誰かを鮮やかに救う物語じゃない。救えなくても、見捨てなかった。逃げたあとでも、戻ってこられた。そういう、"逃げなかった"という事実だけが残る物語。 ——大事なものから、一度でも逃げたことのあるあなたへ。

6.0万字完結済み
2026年7月1日 13:50更新

レビュー0(0件)

読み込み中...