
細川家の庶子に生まれまして。
戦国の世——信長や秀吉ではない、もう一人の主人公がいた。 室町幕府最後の将軍・足利義昭。 教科書の太字で「失敗した将軍」と書かれる、その男。 物語の語り手は覚円。細川家の庶子に生まれ、十歳で奈良・興福寺一乗院へ送られた一人の僧侶。 寺で出会った風変わりな少年・覚慶こそ、のちに足利義昭となる男だった。 「お前、居場所がない顔をしておるな」 覚円の目を通じて、もう一人の主人公の生涯が浮かび上がる。 何度叩き潰されても折れなかった男の、長く、奇妙な、人生の物語—— 戦国時代を「失敗した将軍」の側から見る、足利義昭の物語。
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2026年5月2日 12:48更新全1章更新日:2026年5月2日 12:48
天文十六年(1547年)、京。 又次郎は、細川家の一門衆細川晴賢の家にいた。 そして晴賢の死後に身を寄せた、細川晴広邸で、木太刀を振る十五歳の少年——細川藤孝に出会う。 戦国前夜の京で、又次郎の最初の物語が始まる
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